看護師国家試験の中でも「基礎看護学」は、すべての分野の土台となる重要な科目です。
看護の理念や倫理から、安全援助・清潔援助・感染予防など、臨床現場で欠かせない知識が幅広く出題されます。
しかし、範囲が広く「どこから勉強すればいいのかわからない」と悩む受験生も少なくありません。
本記事では、基礎看護学の出題傾向や頻出テーマ、過去問を活用した効率的な勉強法をわかりやすく解説します。
これから学習を始める人も、直前期の総復習をしたい人も、この記事で基礎看護学を得点源にしましょう。
<h2>基礎看護学とは?国家試験における位置づけと重要性</h2>
看護師国家試験における基礎看護学は、すべての看護分野の“土台”となる学問です。
人間理解や看護観、看護技術の根拠を学ぶことで、臨床現場での判断力や応用力を身につけることが目的です。
基礎看護学は、単なる技術習得ではなく、「なぜその行為を行うのか」という根拠を理解する学問です。
この分野で得た知識は、成人看護学や小児看護学など、すべての専門領域の基礎になります。
国家試験では毎年10〜15%程度が基礎看護学から出題され、合否を左右する重要分野です。
「基礎をおろそかにすると、他科目の理解も浅くなる」と言われるほど、学習の初期段階で確実に押さえる必要があります。
<h3>基礎看護学の概要と学習目的</h3>
基礎看護学の学習目的は、看護師として必要な「考え方・感じ方・行動の基準」を身につけることです。
人間を身体的・心理的・社会的な存在として理解し、患者の尊厳を守る看護実践につなげる姿勢を養います。
具体的には、看護過程を通じて問題を見つけ、計画し、実践・評価する力を学びます。
また、日常生活援助の基本動作(体位変換・清潔保持など)を通じて、安全で安楽なケアの提供方法を習得します。
この分野での理解は、後に学ぶ専門科目すべてに直結します。
つまり、基礎看護学を正しく理解することが、看護師国家試験合格への第一歩なのです。
<h3>国家試験全体に占める基礎看護学の出題割合</h3>
国家試験では、全240問のうち約30問前後が基礎看護学から出題されます。
出題数は年によって多少変動しますが、全体の10〜15%を占める重要科目です。
以下の表のように、各分野の出題数を比較すると、基礎看護学のボリュームがわかります。
| 分野名 | 出題数(目安) | 特徴 |
| 基礎看護学 | 約30問 | 看護全体の基礎・共通概念 |
| 成人看護学 | 約40問 | 病態・臨床応用が中心 |
| 小児・母性・老年看護学 | 各20〜30問 | 対象別の看護知識 |
| 精神・在宅・看護管理 | 約20問 | 応用・制度的内容 |
基礎看護学の得点が安定すると、他分野の理解もスムーズに進みます。
そのため、最初に重点的に取り組む価値のある科目です。
<h3>他の看護分野(成人・小児・老年など)との関係性</h3>
基礎看護学は、すべての看護分野の“共通言語”のような存在です。
成人・小児・老年看護などで学ぶ具体的ケアも、すべて基礎看護学の知識を前提に成り立っています。
たとえば、成人看護学で必要な観察力は、バイタルサイン測定や安全・安楽援助など基礎看護学で養われます。
また、老年看護で求められる「患者の尊厳を守る姿勢」も、基礎看護学の理念から発展したものです。
このように、基礎看護学の理解度が高いほど、他の分野の成績向上にも直結します。
そのため、学習初期から「全体のつながり」を意識して学ぶことが大切です。
<h2>看護師国家試験「基礎看護学」の出題範囲と出題傾向</h2>
基礎看護学の出題範囲は広く、看護の理念から日常生活援助、感染予防、バイタルサイン測定など多岐にわたります。
厚生労働省が公表する試験要項に基づいて、出題範囲と頻出分野を整理することが重要です。
毎年の出題傾向を見ると、「看護の基本」「安全・安楽援助」「感染予防」「清潔援助」などは必ず出題されています。
特に近年は“根拠を理解して選択する”問題が増えており、暗記だけでは対応が難しくなっています。
過去問分析を通して、知識の定着と応用力をバランスよく養うことが、合格への近道です。
<h3>出題範囲の全体像(厚生労働省発表の試験科目より)</h3>
厚生労働省が定める出題範囲では、基礎看護学は次の5領域で構成されています。
| 区分 | 主な内容 |
| 看護の基本 | 看護観・倫理・人間理解 |
| 看護過程 | 問題解決・アセスメント・計画・評価 |
| 日常生活援助 | 食事・排泄・睡眠・清潔などの援助技術 |
| 安全・安楽援助 | 転倒防止・体位変換・移送技術 |
| 感染予防・清潔保持 | 滅菌・手洗い・標準予防策 |
この範囲を理解したうえで学習を進めると、試験問題の構造を把握しやすくなります。
各領域の関連性を意識して学ぶことが、得点アップの鍵です。
<h3>頻出分野① 看護の基本と看護過程</h3>
「看護の基本」と「看護過程」は、基礎看護学の中でも最も出題頻度が高い領域です。
看護の基本では、人間・健康・環境・看護という4つのキーワードをもとに、看護の本質を問う問題が多く出題されます。
看護過程では、アセスメント・看護計画・実施・評価の流れを理解することが重要です。
特に、患者の訴えや観察データから看護問題を導く「アセスメント」の思考過程を問う問題が増えています。
知識だけでなく、「この場面ではどの段階の判断か?」を見極める力が求められます。
基礎を理解したうえで、事例問題に触れながら思考型の練習を積み重ねることが得点アップにつながります。
<h3>頻出分野② 安全・安楽の援助</h3>
安全・安楽援助は、看護師が患者の「安心」と「快適さ」を守るための基本的技術を問う分野です。
転倒・褥瘡(じょくそう)・誤嚥(ごえん)など、日常的に起こり得る事故を予防する考え方が中心となります。
出題では「体位変換の目的」や「安楽な体位の条件」を選ぶ問題が多く見られます。
正しい角度や支援方法を理解することで、選択肢を確実に絞ることができます。
また、実際の臨床をイメージすると記憶に定着しやすくなります。
「安全」と「安楽」は密接に関係しており、知識の暗記にとどまらず、根拠をもとに選択できる力を養いましょう。
<h3>頻出分野③ 清潔・感染予防・バイタルサイン</h3>
この分野は、毎年必ず出題される最重要テーマのひとつです。
清潔援助では、清拭や入浴の目的・方法・観察項目が中心に問われます。
感染予防では、感染経路や標準予防策(スタンダードプリコーション)の正しい理解が求められます。
さらに、バイタルサイン測定では、体温・脈拍・呼吸・血圧の基本を押さえ、異常値の判断根拠を明確に説明できることが重要です。
「どの値が異常か」「どのように対応するか」を表で整理して学ぶと効果的です。
この領域は、看護技術と科学的根拠が直結しているため、単なる手順暗記ではなく“なぜその方法が正しいのか”を理解することが合格への近道です。
<h2>よく出るテーマ別・基礎看護学の学習ポイント</h2>
基礎看護学では毎年のように同じテーマが繰り返し出題されます。
そのため、頻出テーマを優先的に押さえ、学習効率を高めることが大切です。
この章では、各テーマの特徴や出題傾向、学習のコツをまとめて解説します。
単なる暗記ではなく、「看護技術の目的と根拠」を意識して学ぶことで、応用問題にも対応できるようになります。
<h3>看護の基本:人間理解と看護観を問う問題</h3>
「看護の基本」は、基礎看護学の中でも理念的な内容が中心であり、出題では“看護とは何か”という根源的な問いが多く見られます。
看護師がどのような価値観や倫理観をもって患者と関わるかを理解しているかが問われます。
この分野では、「人間・環境・健康・看護」という4要素の関連を押さえることが大切です。
特に、患者を“生活者”として捉え、身体だけでなく心理的・社会的側面も含めて理解する視点が求められます。
問題文では「看護観」「生命の尊重」「自己決定の尊重」などの概念が頻出します。
単に暗記するのではなく、看護の目的や意義を自分の言葉で説明できるようになると得点力が上がります。
<h3>看護過程:アセスメント・計画立案・評価の考え方</h3>
看護過程は、基礎看護学の中でも特に“考える力”が求められる分野です。
アセスメント・看護診断・計画・実施・評価という一連の流れを理解し、どの段階の思考が問われているのかを判断する力が必要です。
たとえば「患者の訴えから看護問題を導く」「優先順位を決めて計画を立てる」といった設問では、論理的な思考と根拠のある判断が重視されます。
出題では、患者情報(バイタル・症状・心理状態など)を読み取り、適切な看護介入を選ぶ事例問題が増えています。
図やフローチャートで段階を整理し、各プロセスの目的を明確にすると理解が深まります。
「なぜこの対応を行うのか」という視点を常に持つことで、応用問題にも対応できるようになります。
<h3>安全・安楽援助:体位変換・移送・転倒予防の実践問題</h3>
安全・安楽援助の問題では、患者の安心と快適さを確保するための看護技術が問われます。
転倒防止や褥瘡予防、体位変換、移送など、臨床現場で頻繁に行われる基本技術が中心です。
出題では、「どの姿勢が最も安楽か」「どの支援方法が安全か」といった選択肢問題が多く見られます。
たとえば、仰臥位から側臥位への体位変換では、患者の体重を分散させる支援や声かけの重要性を理解しておく必要があります。
また、“安楽”は単なる快適さではなく、「患者の身体的・精神的負担を軽減すること」と定義されています。
根拠を意識した技術理解が、得点アップにつながります。
<h3>清潔援助と感染予防:清拭・手洗い・滅菌の基本</h3>
清潔援助と感染予防は、国家試験で毎年欠かさず出題される分野です。
清拭や入浴などの清潔援助では、「目的」「観察項目」「手技の順序」を理解しておく必要があります。
感染予防では、「感染経路の遮断」や「標準予防策(スタンダードプリコーション)」などの基本概念を整理してください。
特に、手洗い・滅菌・消毒の違いを明確にし、どの場面でどの方法を選ぶべきかを説明できるようにしておくことが大切です。
この分野は、看護技術の根拠が明確なため、理論と実践をセットで学ぶと記憶が定着します。
「手技の手順+根拠」を表形式でまとめておくと復習しやすくなります。
<h3>バイタルサイン測定:測定手順と異常値の判断ポイント</h3>
バイタルサイン測定は、看護師として最も基本的な観察技術のひとつです。
体温・脈拍・呼吸・血圧を正しく測定し、その結果をもとに患者の状態を判断する力が求められます。
国家試験では、「異常値を示したときの初期対応」や「測定の誤りを防ぐ方法」が問われることが多いです。
たとえば、体温計の位置、聴診器の当て方、カフの巻き方などの正確さがポイントになります。
また、異常値の基準を理解し、以下のような目安を覚えておくと判断しやすくなります。
| 項目 | 正常値(成人) | 異常の目安 |
| 体温 | 36.0〜37.0℃ | 38℃以上は発熱 |
| 脈拍 | 60〜100回/分 | 100回超または50回未満 |
| 呼吸 | 12〜20回/分 | 10回未満または24回以上 |
| 血圧 | 120/80mmHg前後 | 140/90以上または90/60未満 |
このようにデータを具体的に整理し、異常値を見逃さない判断力を養うことが重要です。
<h2>まとめ</h2>
基礎看護学は、国家試験の中でも看護の根幹を支える重要な分野です。
出題範囲が広く、暗記だけでは対応できない問題が増えています。
しかし、出題傾向を把握し、過去問やアプリを活用すれば、効率的に得点を伸ばすことができます。
苦手分野を見つけて克服し、自分に合った教材を選ぶことが合格への近道です。
また、看護学概論とのつながりを意識して学ぶことで、知識がより深く定着します。
基礎を固めることが、看護師としての第一歩です。
今日から一歩ずつ、着実に学びを積み重ねていきましょう。


